こんな悩みを解決します。
結論から先に話すと
目的がある場合を除き、神戸大学海洋政策科学部に文系で入学するのはやめたほうが良い
です。
こんにちは、学生フリーランスエンジニアのいのうえ(@inouelog)です!神戸大学に在学しています。
神戸大学海洋政策科学部とは、2021年4月に神戸大学海事科学部から改組された学部です。海事科学部は理系しか入学できませんでしたが、海洋政策科学部は文系でも入学できるようになりました。
この記事では、神戸大学海洋政策科学部に文系で入学することについて解説します。
神戸大学海洋政策科学部に文系で入学するのはやめたほうが良い理由
神戸大学海洋政策科学部に文系で入学するのはやめたほうが良い理由は、2つあります。
それぞれ解説していきます。
数学や物理の勉強ばかり強制されるから
神戸大学海洋政策科学部では、たとえ文系で入学した学生であっても、基本的に理系と同じ授業を受ける必要があります。
例えば、1年次に数学の授業で「微分積分」という授業があります。この授業は数Ⅲの知識を前提としています。
- 理系…高校時代に数Ⅲは履修済み
- 文系…高校時代は数ⅡBまで
文系の学生で数Ⅲまで履修している場合は少ないでしょうから、このギャップを埋める必要があります。
ちなみに、「微分積分入門」は卒業に必要な単位に含まれていないので、どれだけ良い成績を取っても単位は出ません。
一方、1年次の物理の授業は、
- 力学基礎
- 電磁気学基礎
- 連続体力学
- 熱力学
という授業があります。これらは高校レベルの物理(発展)の知識を前提としています。
さきほどのQ&Aでは、
「熱力学」といった入門科目
とあります。
しかし、神戸大学のシラバス(授業の詳細情報が分かるサイト)で授業内容を確認したところ、高校レベルの物理(発展)の知識が必要だと判断しました。物理未履修者向けの内容ではありません。
文系の学生で物理(発展)まで履修している場合は少ないでしょうから、物理でもギャップを埋める必要があります。
このように、文系の学生にとって1年次はとにかく数学と物理の勉強を頑張る必要があります。
また、必修ではないですが「基礎有機化学」など、化学の授業も開講されます。この授業も高校レベルの化学(発展)の知識を前提としています。
文系の学生は、入学前に高校レベルの理科を予習しておきましょう。
教授が「文系は覚悟が必要かもね」とおっしゃった、という話も聞きました。
では、2年次以降に数学や物理の勉強をしなくて良い(負担が軽い)ように、授業を選択できないのでしょうか…?
文系は2年次の領域配属で不利だから
神戸大学海洋政策科学部では、2年次以降は領域(ざっくり言うとコース)に配属されます。領域は5つあります。
海洋ガバナンス領域 | 経済・経営・法学部っぽい |
海洋基礎科学領域 | 理学部っぽい |
海洋応用科学領域 | 工学部っぽい |
海技ライセンスコース航海学領域 | 航海士を目指す |
海技ライセンスコース機関学領域 | 機関士を目指す |
各領域には定員があり、配属先は基本的に1年次の成績で決まります。数学や物理の負担が軽い「海洋ガバナンス領域」は文系の学生にとって狙い目でしょう。
しかし、既に述べたとおり、1年次の授業が数学や物理ばかりなので、文系の学生は理系より成績が悪くなる可能性が高いです。
海洋ガバナンス領域に理系の学生が殺到したら、成績が悪い文系の学生が希望しない他の領域に配属される場合が考えられます。
2年次以降は1年次より授業の内容が難しくなるので、もし、文系の学生が「海洋応用科学領域」のようなガッツリ数学と物理を勉強する領域に配属されるとキツイ思いをするかもしれません。
理系でもキツイと思います…。
神戸大学海洋政策科学部に文系でも入学したほうが良い人
では、「文系なら100%神戸大学海洋政策科学部に入学するのをおすすめしないのか?」というと、そうではありません。
神戸大学海洋政策科学部に文系でも入学したほうが良い人はいます。
次の3パターンの人たちです。
それぞれ解説していきます。
理転したい人
「文系だけど、理系科目は得意とか好き」という人は意外といます。
大学の理系の勉強は専門的なことを学べるので、理転したい人には海洋政策科学部はおすすめです。就職するときも理系じゃないと就けない職種も多いです。
ただ、より専門的な知識を身につけるために院まで進学することは念頭に置いておきましょう。
Q&Aでも理系科目の勉強を頑張る必要性が書いてありますね。努力すれば理転は可能ですよ!
航海士や機関士になりたい人
かつて航海士や機関士を目指せる大学は、東京海洋大学と神戸大学(海事科学部)の2校で、理系しか受験できませんでした。
しかし、海洋政策科学部が文系でも受験できるようになったので、「本当は航海士になりたいけど、文系だから無理…」という人にも門戸が開かれました。
海技ライセンスコース航海学領域では航海士、海技ライセンスコース機関学領域では機関士を目指せます。
航海士や機関士などの船乗りは、周囲を海に囲まれた海洋大国の日本を担う職業ですね。
また、船乗りは年収が高いのも魅力でしょう。
船乗りが所属する民間企業大手3社の平均年収は、こちら。
会社名 | 平均年収 |
---|---|
日本郵船 | 971万円 |
商船三井 | 986万円 |
川崎汽船 | 831万円 |
海運企業の職種には、船乗りなどの海上職と陸上で勤務する陸上職があります。
海上職は陸上職に比べ多く手当てがつく(給料がもらえる)ので、上記の平均年収を早く突破できますよ。
30歳で年収1,000万円を突破することも不可能ではありません。
「神戸大学」という学歴が欲しい人
海洋政策科学部は、六甲台にある学部よりワンランク偏差値が低く、(神戸大学にしては)入りやすいという事実があります。
とは言え、神戸大学の学生ということには変わりありません。就活でも神戸大学として扱われますし、卒業したら「神戸大学卒」です。
神戸大学は関西ではNo.3の大学なので、コスパ良く高学歴の肩書きを手に入れたい人にはおすすめです。
神戸大学海洋政策科学部に文系で入学するのはやめとけ まとめ
ここまで、神戸大学海洋政策科学部に文系で入学することについて解説してきました。
結論は
目的がある場合を除き、神戸大学海洋政策科学部に文系で入学するのはやめたほうが良い
です。
しかし、この記事で本当に伝えたかったのは「学びたい学問を学べる大学を志望して入学して欲しい」ということです。
まずは、
などを自分に問いかけてみてください。
もし、理系科目を学ぶことに不安があれば、理系の友達に数学や理科の教科書を見せてもらいましょう。
「興味を持って学べそう」と思えたら、大丈夫です。
ただ、大学で学びたいと思っていた内容でも、実際に学んでみると「なんか思ってたのと違う…」となることが多いのも事実。
なので、下記のような目的がある人は、文系からも入学を目指して良いでしょう。
以上、『神戸大学海洋政策科学部に文系で入学するのはやめとけ【神大生が暴露】』でした